高校3年間は一番必要な時間だった
北海道・十勝、広尾町の高校に通っていたのですが、地域のみんなが優しく、バイト先のセイコーマートのお客さんも私のことを覚えてくれていたりと街のコミュニティを感じられたし、当たり前ですが全てを自分でやらないといけない中で、支えてくれる北海道のホストファミリーのことも大切に感じていました。こんなにもケアしてくれる人たちに恩返しがしたいという気持ちから、サーフィンも頑張りたいなと思えて。本当に素敵な出会いでしたね。
地方から北海道に移住してきたサーファーとしてメディアに取り上げられたりもして、自分の意と反する少し残念な気持ちを経験し、人を頼りに生きてはいけないということも学んだり。でも高校で生徒会長になり、過疎化が進んでいる広尾町をもっと自ら発信していきたいという思いから、冬にアイスキャンドルサービスのイベントを開催。というのも、広尾町はノルウェーから“サンタランド”として認定されているんです。その時は「取材してもらえませんか」と逆にメディアの方を自分から声がけしました。自ら行動できるようになったのも、北海道での高校生活のおかげだったなと。
自分の気持ちに従ったからこそ
試合に勝つことができた
試合に出たくない、自分が乗りたい時に波に乗りたい。北海道に行ったのも、「私は私」というのを見つけたかったから。それは逃げではなく、自分を確かめるためのチャンスだったと思っています。高1の時は全く試合も出ず自由にサーフィンをしていて、翌年になんとなく試合に出てみようかなとトライしてみたら、全日本で3番だったんです。それでもっと試合に出たいと思えるようになり、オール九州という試合で優勝。その後に「来年プロトライアルを受けてみよう」と考え始めて、高3の最初の試合、バリのトライアルでプロ合格をしました。バリでは2回優勝しましたが、1週間バックサイドしか乗らなかったりとすごく練習をしました。どんなに大きい波で誰も入っていなさそうな海でも自分は絶対に行くと決めていて、そこは誰にも負けないし、その気持ちで勝てたのかなって。
北海道や遠征先、友人との旅行の思い出。
Photography by Hiroka Yoshikawa
北海道はやっぱり故郷
今も頻繁に北海道に行くのですが、やっぱり帰りたいなと思える場所。千葉とは波も違うし、自分のモチベーションも全然変わります。千葉では「練習しないと」と思って海に行くのですが、北海道は海に入りたいから行きたいとなるんです。私にとってのサーフィンの全てを伝えてくれるのが、フンべというポイント。景色はもちろん、波も人もすごくよくて、いつも入るメンツは一緒。それは千葉の海もそうなのですが、でも何かがちょっと違う。海全体が「おかえり」と言ってくれている感じがして、向き合う気持ちも変わるんです。
自然の恐怖は常にある
曇天の日や、誰も入っていない海に1人で入るのもすごく勇気がいるし、海洋生物の怖さも知っている。北海道では隣で鮭が泳いでたりもするので、結構びっくりします。私もそうですけど、みんな冬でもサーフィンをするんですよね。広尾町は十勝の下の方にあるので夏がメインですが、オホーツク海側、流氷が流れてくるスポットは冬がシーズン。マイナス20度くらいなので全然感覚もないし、髪の毛は凍って折れてしまうので出すのは厳禁。水一杯を必ず飲んで、血の巡りをよくしてから入らないといけないんです。水は本当に大事!常に安心感はないし、危機感があった方が怪我もしないですよね。それが抜けた時に私は脚を骨折したので。
負けず嫌いなので怪我のトラウマは全然なくて、それを乗り越えたいと頑張れるタイプ。例えば、波が大きくて乗れなければ少しずつ慣らしていく。行ったことのない大きい波にチャージして、1本でも乗れたらそれが自分の自信に繋がるので。その次の日にはもっと大きい波にも行けたりするんです。そうやって一歩一歩自信を築いていくのが、私なりの困難を乗り越える術です!
SHOP INFO
- Overview Coffee Ichinomiya
- 住所:千葉県長生郡一宮町一宮字東台場10144番、10147番
- TEL:080-4876-3692
- 営業時間:時期によって変動しますので、InstagramやGoogleマップなどでご確認下さい。
- 定休日:月曜
@overviewcoffee_ichinomiya
宮坂さんの行きつけだというベーカリカフェにお邪魔させていただきました!瀬戸田のロースタリーで焙煎された新鮮なコーヒーの提供・販売をはじめ、ショーケースに並ぶパンやドーナツは、生地の発酵から成形、焼き上げまですべて店内で行っているそう。イートインメニューもあり、近隣で生産された野菜を使ったデリプレートも。
「店長の(吉田)一輝さんに会いに来ています。ほぼ毎日通っている週もあって皆勤賞さながら。家からも近いし、夕方によくサーフポイントのサンライズで一緒に入ったり。コーヒーも美味しいし、シナモンシュガードーナツが大のお気に入りです。ぜひ食べてみてください!」(宮坂さん)